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   12月 09

「ソーシャル・ファームとしてのオリーブ園」を訪ねて(2014年12月7日)

オリーブ畑3“ソーシャル・ファーム”という言葉自体を知ったのは、数か月ほど前から、今回参加させていただいた企画の案内をいただいた武井氏(株式会社ル・クール ハート代表)が、SNSにて発信されていた情報の中で目にしたに過ぎず、まだ私にとっては目新しいキーワードであった。
一方で、昔から何かと利権も絡みがちな福祉というキーワード自体には少なくとも距離を置いていたことは否めない。
しかし、日本の社会が混迷を極める中で、健常者・障害者という括りでは今後の私たちが歩むべき道筋は見いだせなくなっていることも事実であり、実践者・先駆者として尊敬させていただいている武井氏はじめ、まずは実際の現場と諸先輩方の生の声を聞かせていただきたく参加させていただいた。
ドイツにおいては、2000年にはソーシャル・ファーム関連法が制定されるなど、ヨーロッパでは既に1970年代からその活動は歩みを初めている。日本では、2008年に「ソーシャルファームジャパン」が設立されるなど、ようやく一般にはキーワードとして認知されつつある状況のようである。
目的としては、一般に以下のように言われているが、特に健常者・障害者という括りに囚われたものではなく、ヒトとヒトが関わりあう社会の中では至極当然のようにも思える。
a. 通常の労働市場では就労の機会を得ることの困難な者に対して
b. 通常のビジネス手法を基本にして
c. しごとの場を創出する

morning1_25p会場には車の便もあり直接先に入らせていただき、優しい朝の光に包まれながら気温が上昇しつつあるオリーブン園でまっていると、やがて駅からの一行を乗せたマイクロバスが到着し、須永氏の挨拶から今回のツアーが始まった。morning2_25p

午前中から、武井シェフが用意いただいたランチ(玄米パエリア)をいただくまでは、オリーブに関する一般的な知識から食と健康にまつわる様々なお話と、オリーブオイルの搾油実演の見学。
オリーブに関するお話の中から気になったキーワードを散文的に列挙させていただくと、
オリーブの実_25p・6万年前から生活の中に取り入れられていたことが想定されるオリーブ
・神聖な神からの贈り物としてエジプト文明ではランプ油として多用されていた
・古くから常用されてきたオレンジ&オリーブ&胡椒の組み合わせは、予防医学的な見地からも理にかなっている
・オリーブの力を残すオイルはエキストラバージンオイル(酸化指数0.8%以下)のみ。
・抗酸化作用の源=オレウロペイン&オレオカンタール
・地中海パラドックス(低い循環器疾患[心臓・血管・脳疾患])と一価不飽和脂肪酸としてのオレイン酸の関係
・オリーブの可能性=マスリン酸

高級車ならぬ高級機械が鎮座されているオリーブ搾油室に場所を移り、高度な搾油技術を有する技師による説明と質疑応答を交えながらの実演に。
搾油1_25poil_25p実をまるごと投入すると、コールドプレス製法(熱を加えずに、遠心分離方式にて油を抽出。良質な菜種油等と同じ製法。)にて、酸化指数0.8%以下のエクストラヴァージン・オリーブオイルの素となる無濾過オイルが搾油可能である。

30kgのオリーブの実から、無濾過状態で約4.4リットルのオリーブオイルが搾油される。この日は、約4.6リットルでした。

ランチ愛情あふれる武井シェフが用意していただいた、絞りたてオリーブオイルをかけながらの玄米パエリアとクリームブリュレをいただき、午後は再び搾油工程の続きと、新井代表から、障害者本人のみならず、取り巻く家族への思いやりと配慮に溢れるソーシャルファームの運営に関するお話を。
オリーブ畑1_25p最後に収穫まで期が短い白菜等の葉物と、期の長いオリーブを並行栽培する等で経営の安定化と特異性の両立を工夫と苦労を重ねられながら築かれてこられ、10年の時を経てようやく量産化の目処が立ちつつあるという、夕陽に包まれたオリーブ畑を見学させていただいた。
オリーブ畑2_15pこの辺りも耕作放棄地が増え続ける中で、徐々に地主さんの理解を得ながらオリーブの植樹を進められている状況とのこと。成木になると1本の木から約30kgの実が収穫も可能とのこと。

充実した一日を終え振り返り、ただ一つ気になることと言えば、いままでの一過性のブームによって定着しなかった諸活動にみられた、「ソーシャル・ファーム」を定義づけや枠にはめようとする動きなのかもしれない。
highway_30p一方で、「ソーシャル・ファーム」は特別なことではなく、自然と人が対等に、そして人同士がフラットになれる本来の「農」という世界においては自然発生的な動きなのかもしれないとも改めて感じながら、立ち寄らさせていただいた足利のパティスリーでの尽きない話に後ろ髪をひかれながらも、満月から明けた月夜のハイウェイを帰路に。

■ソーシャルファーム ―“第三の雇用”に向けたドイツの取り組みから
http://www.realiser.org/report/lifestyle/article/index.php?id=287

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